フランス旅② きっかけ~ある靈(たましい)の記憶~
私には買いたくてもずっと買えないものがあった。
シュトレンだ。
ドライフルーツがたっぷり入ったドイツ菓子で、毎年クリスマスになると売られている。
シュトレンの存在を知ったのは幼い頃。とても興味を惹かれたけど、30年位前の田舎にはそんなものはなく、実物にお目にかかる機会はなかった。
近年はスーパーや近くのパン屋さんでも見かけるようになり、手に入りやすくなっているにも関わらず、なかなか食べられないのだ。
(シュトレンを食べなくても死ぬわけでなし…)
クリスマスの氣配を感じる時期になると氣にはなってたけど、食べないまま何年も過ぎていた。
このほんの些細なひっかかりが、2018年の冬、あるヒーリングがきっかけで過去生の“わたし”と結びついた。
クリスマス、教会、パン 、お腹を空かせた小さな女の子
わたしの靈の記憶…
過去生で自分が何者で、どんな経験をしていたか。少なからずそれが今の自分に影響していることがあるとは知っていたけど、彼女のビジョンを通して語られたストーリーには体感が伴っていた。
小さな女の子が感じた絶望と、その先に見たささやかな希望の光。 。
シュトレンを通して私が強く感じていたのは、大切な人に美味しいものを食べさせてあげられなかった小さな女の子の記憶だった。
それは辛く寂しいものだったけど、今を生きている私が寂しさに浸るためのものではない。
「今はもうあの時の“小さな女の子”ではない。今のあなたはそれを買うことができるし、大切な人に美味しいものをたくさん食べさせてあげることができる」
その冬は家族と2種類のシュトレンを楽しんだ。
今の私の氣づきや行動で、私の一部である“小さな女の子”の靈が癒え、私自身も癒されるという体験をした。